今回は役職ある方を紹介する時の、敬語の表現についてお話しします。
- 役職ある人の呼び方
- 議員の呼び方
- 二重敬語
- わざと間違えることも大事
役職の呼び方
役職ってありますよね。
会長とか社長とか?
部長とか課長とか
司会で関わるのはイベントに来られる方が多いですから。
主に『会長』『社長』『委員長』『町長』などの役職の方と関わることが多いです。
その役職がどうかしたの?
その方たちをイベントの中で、来賓として紹介することがあります。
あるいは、お一言ご挨拶をいただくこともあります。
そんな時に、なんてお呼びしたら良いでしょう?
呼ぶって、なんか特別なことあるの?
普通に「○○さん」じゃダメ?
司会ですからね。
来賓でいらしている方の敬称が『さん』ではいけません。
じゃあ「○○様」って呼べばいいのかな?
それもいけません。
たしかに、人を紹介する時は基本的に、『様』で対応できる場面は多いです。
ですが、この場合はその役職ありきでお越しいただいているので、ちゃんと役職を言わなければいけません。
そうね。じゃあ「○○会長」って呼べばいいのかしら
そうです。
名前の後に役職を付けて呼ぶのが正解です。
この呼び方は、小学生のうちからクラスの「○○委員長」や「○○先生」などで、馴染み深いと思います。
確かに!言われてみれば先生のことを・・・
名前の後に『先生』って付けて呼んでた!
来賓挨拶の紹介
たとえば来賓としてお越しになられた『会長』よりご挨拶を頂く時は「『○○会長』よりご挨拶を頂戴します」と言います。
難しい言い方だね!
キチンとした敬語よね!
それでは、その後はなんて言いますか?
その後?
前回やってないよ?
「ご挨拶を頂戴します」とだけ言ってもいいのですが、「『○○会長』、よろしくお願いします」と付け加えてあげると、丁寧になりませんか?
そういうことか
丁寧になるわね
この時、直前に一度、役職でその方を紹介しています。
そしてこの「よろしくお願いします」は、その相手の方に直接話している言葉です。
そうだね
つまり、先ほど私は役職ありきでその人を呼んでいると説明しましたが、この場面で
「『○○様』、よろしくお願いします」
と言っても何もおかしくないということです。
『○○会長』でもいいんでしょ?
もちろん、どちらでも結構です。
このように、絶対に役職で呼ばなければならないというわけではないと、覚えておいてください。
議員の呼び方
上に挙げた役職の方以外にも、よく紹介することになるのが、議員の方達です。
議員って言うと・・・
『衆議院議員』とか、『参議院議員』とか?
他にも私が住んでいる北海道で言うと、『北海道議会議員』『市議会議員』『町議会議員』『村議会議員』などがいます。
上で役職の例に出した『町長』とかも同じ分類ですね。
選挙で選ばれた方達です。
その議員さんたちがどうかしたの?
その議員さん達の呼び方で、『先生』という敬称は聞いたことありませんか?
う~ん、ない・・・かなぁ?
私はあるわ!刑事ドラマとかで!
そう、政治家が出てるドラマでは、この『先生』という敬称は聞くことが多いです。
そうなんだ・・・
ですが、この『先生』は議員の誰にでも使えるわけではありません。
え?そうなの?
ドラマで見てるんじゃないの?
そんなの意識して見てないもん
そうですね。
直接関わることもありませんので、知らなくても無理はありません。
本来『先生』という敬称は『代議士』つまり『衆議院議員』にしか使いません。
そうなんだ
『代議士』って言葉もあんまり知らなかったけど
『代議士』とは『衆議院議員』の別名です。
つまり簡単に言うと、
日本の国政に関わる、トップ議員の呼び方が『先生』なんです。
じゃあ、他の『参議院議員』とかを『先生』って呼んだら間違いなの?
間違いです。
へぇ~、司会者はそういうことも気を付けないといけないんだね
とは言ってもですね。
間違いを承知で、あえて議員を『先生』と呼ぶこともあります。
え!間違いなのに!?
気を付けている意味ないじゃん!
もちろん式典では使い分けに気を付けます。
ですが楽しいイベントやお祭りとかであれば、そこまで肩ひじ張る張る必要もありません。
多少間違っていても、相手を立てる呼び方をするのに、何も問題ありません。
『代議士』でない議員の方達も、『先生』と呼ばれるのに慣れていますしね!
自分は間違っても、相手を立てるのね
二重敬語
もう一つ気を付けることがあります。
これは社会人であればよく聞くマナーではないでしょうか?
どんなこと?
「『役職』に『様』を付けない」ということです。
たとえば?
「○○先生様」や「○○会長様」と言う言い方は間違いです。
敬称が二つになってしまっているので、二重敬語となってしまっているのです。
二重敬語?
敬語にもルールがあって、一つのことに対する敬語は一度までと決まっているんです。
たとえば「お越しになられる」と言う言葉。
「『お』越しにな『られ』る」と、分ければ分かりやすいでしょう。
二つ敬語が重なってしまい、逆に不適切な敬語の使い方なのです。
多くなりすぎると、逆効果なんですね。
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」か
難しい言葉知ってるじゃない
つまり「『お』越しになる」と言えば正解なのです。
話を戻しましょう。
最初の例の「○○先生様」は『先生』と『様』という敬称が二つあるので、間違いということが分かります。
司会者は二重敬語も気を付けて喋っているんだね
人前で話すんだもの
とは言っても、これも「議員のことを全て『先生』と呼ぶ」のと同じで、あえてそうすることもありますよ。
またわざと間違えるの?
今度も相手のため?
これは相手のためと言うより、場の雰囲気ですね。
お祭りやお笑い系のイベントであれば、「○○会長さん」と、フランクな言葉遣いで場を和ませるのに使います。
まとめ
- 役職ある人の呼び方
- 議員の呼び方
- 二重敬語
- わざと間違えることも大事
知らずに間違えていてはいけませんが、知っている人は正しく使うか、あえて間違って使うか、選ぶことができるんです。
司会者として、知識を蓄えた上で、話す言葉を選んで使うようにしましょう。
・・・
どうしたの?
・・・つまり間違えて怒られても、「知っててわざと間違えた」って言えばごまかせるんじゃない?
あ、あんた、本気で言ってるの?
よーし!間違いを気にしないで、自由に喋っていくぞー!
今回の内容を聞いた意味が全然ないじゃない・・・
以上
「役職や議員の呼び方、二重敬語に注意~時にはわざと間違える」でした♪